ex検証ブログ

興味のあることを考え調べ書くブログ

『トンデモ本の世界R』を再読して

『トンデモ本の世界R』(2001、太田出版)を再読していて、山本弘氏が大藪春彦『餓狼の弾痕』(1994、角川書店)を取り上げているのを見て「あったなあ」と懐かしく思った。そして、氏の文章を一通り読み終えてから、「やっぱり一言書いておきたい」と思った…

「オタク以前」を考える

小林信彦・片岡義男『星条旗と青春と―対談:ぼくらの個人史ー』(角川文庫、1984年)という本がある。サブタイトルに「個人史」とあるように、小林・片岡両氏がお互いの経験を語っていくうちに戦後の日本がたどった変化が見えてくる興味深い本なのだが、第4…

『愛国戦隊大日本』論争をざっと見てみた(その4)

ゼネラルプロダクツが発行していた会誌『パペッティア通信』VOL.1・3(1982年11月発行)の深川岳志「だまされちゃいけない! これがホントのTOKONⅧレポート」を読んでいて「ん?」となった箇所があった。同誌P.5より。 (前略)いよいよ期待のゼネプロアワ…

『愛国戦隊大日本』論争をざっと見てみた(その3)

岡田斗司夫『遺言』(筑摩書房)の中で、岡田氏が「SFファンの先輩」に怒りをぶつけている部分がある。岡田氏によると、1970代後半当時のSF大会は「東京のSFファンが、すごくでかい顔をしてのさばっている場所」で(『遺言』P.17)、大阪のベテランSFファン…

『愛国戦隊大日本』論争をざっと見てみた(その2)

前回は思わせぶりな引きをしてしまったが、今回はそれとは違った話から始める。 『愛国戦隊大日本』について、ゼネプロと『イスカーチェリ』の評価が完全に分かれているのは前回見た通りだが、論争の当事者以外の人間がどのように見ていたかも気になるところ…

『愛国戦隊大日本』論争をざっと見てみた(その1)

『愛国戦隊大日本』はDAICON FILMが自主制作した映像作品で、1982年8月に開催された「日本SF大会」(通称「TOKON8」)で上映されたものである。いわゆる「戦隊もの」のパロディではあるが、アマチュアの作品としてはクオリティはかなり高く、参加したスタッ…